迷惑なんて思ってないよ
十一章・有らぬ噂

面倒臭い

いつも通り高校へ行くと、校内が騒がしかった。理由は昨日の放課後、聖が俺を迎えに来た事。校門前で俺を待っていた聖が相変わらず“ハルくん”と呼んで近付いて来たんだ。

「ハルくん!やっと来た!」

「聖・・・?何しに来たんだよ?」

「結華お姉ちゃんに会わせてくれたお礼!聞きに来ました!」

姉ちゃんに会わせてくれた礼か。別に何でも良いな。寧ろ、礼を貰うような事をしていないからいらない。でも、いらないと言っても引き下がるような奴ではないんだよな。
昔から気だけは強い。もう少し折れる事を知れば、友達だって作れるだろうに。
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