迷惑なんて思ってないよ
体力が持たないと思った私は何かある度にお世話になっている屋上の用具箱の裏に来ていた。

「こんにちわ」

「津田さん!」

「カシザキの姉さんに写真を頼まれてさ」

開いた扉に耳を澄ましていると、目の前に現れたのは津田さんだった。会えるとなんて思っていなかったから、驚いて立ち上がった私に高校へ来た経緯を話してくれた。
そっか、伯母も知っていたんだ。私が来てほしくないんだと勘違いして、津田さんに代わりをお願いしたんだ。そんなつもりじゃなかったのに。ここまで人が多くなかったら伯母たちにも来てほしかったのに。
< 23 / 260 >

この作品をシェア

pagetop