迷惑なんて思ってないよ
慶太郎先輩と聖の元に戻ると、聖はいつも通り明るくなっていた。慶太郎先輩とも打ち解けて仲良くなれたみたいだし、やっぱり慶太郎先輩を誘って良かった。人と仲良くなるの得意だもんな。

「しーっちゃったー、みーちゃったー」

「何かあったんですか?」

「凛と結華ちゃんも来てたのー。観覧車乗ってったー」

そっか、だから今日は小綺麗にしていたんだ。妬けるけど仕方無いか。姉ちゃんが一人の男として愛しているのは伊野先輩だけなんだもんな。俺なんて見向きもされない。男の兄弟として見られても、男の人間としては一生掛かっても見られない。
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