迷惑なんて思ってないよ
姉ちゃん一人と暮らすだけでも嫁姑問題があるというのに、無関係な俺まで住まわせてくれて。一人暮らしを勧めれば良い話なのに来いとまで言ってくれて。姉ちゃんは本当に良い人たちに巡り会えたんだな。

「姉ちゃん、結婚おめでとう」

「ありがとう、晴人」

笑った顔は今まで見た中で一番輝いていた。本当に幸せなんだなって思わせてくれる笑顔だった。
俺は姉ちゃんのおこぼれをもらっただけ。姉ちゃんのおこぼれをもらったおかげで慶太郎先輩という親友も出来て、理事長の秘書として働かせてもらえるようになった。聖だって姉ちゃんがなつかれていたから一緒にいた俺とも仲良くしているだけ。俺一人じゃ友達なんて作れなかった。仲の良い同級生しか作れなかった。
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