迷惑なんて思ってないよ

伝えなくちゃ

綺麗だったな、結華お姉ちゃん。素敵な人と一緒になれたみたいで良かった。本当に良かったって思っているはずなのに何でだろう。心の中が寂しい。

「お疲れ」

「・・・幸せそうでしたね、結華お姉ちゃん」

「・・・だな」

式を終えた日の夜、ハルくんと私は海を眺めていた。今日の式は両家の親族と呼びたい知人だけを呼んだ小さな物。場所は津波の被害にあったあの町。奇跡的に原型を留めていた建物の中で上げたんだ。その日の内に帰った人もいたけれど、ハルくんと結華お姉ちゃん、結華お姉ちゃんの旦那さんと慶太郎さんは残っていた。後、私の友達で知らなかった姉妹のヒナちゃん。
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