迷惑なんて思ってないよ
畑山さんも負けじと唯野さんのせいだと言ったけれど、言い合いは収まらなかった。でも、喧嘩腰に言い合っている訳じゃなくて思い出を語っているだけだったから居心地は良かった。あまり両親の名前も出てこなかったから余計居心地が良かったのかもしれない。
サボっていたのがよく気付かれなかったなと思うくらい時間が経っていた。津田さんが最後に皆で写真を撮ると皆笑いながら去っていった。
嵐のように騒がしいのに、とても楽しい人たちだった。来てくれた理由は分からなかったけれど、楽しい時間をくれた事に感謝しつつ、教室の宣伝に戻った。でも、凛太郎くんの担当の時間が終わったおかげで少しだけさっきよりも混んでいないような気がした。
中に入っているのを男子だと思っているのか、私だからなのか。邪魔だと睨む女子もいれば着ぐるみだからと殴る男子もいた。
早く終わってほしい。そんな一心で時間が過ぎるのを待っていた時だった。
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