迷惑なんて思ってないよ
校舎を出て見つけた晴人は誰よりも背が高くてすぐに分かった。でも、両親の良い所を受け継いだ晴人は誰よりも格好良く見えた。
父が格好良い、母を大切にする人だったから父寄りの晴人と父を重ね合わせてしまっているのかもしれない。でも、そうであったとしてもそんな父の息子である晴人は私の自慢の弟だった。

「ごめん!行こ!」

「柏崎(かしわざき)さんってそんな顔で笑うんだ」

後ろをついてきていた凛太郎くんだった。晴人の下へ走り寄った私が初めて見た笑顔だったと言うのだ。確かに学校では友達もいないし、話し掛けないでという感情以外が動く事もあまりないけれど初めて笑った訳ではないと思うんだけどな。てゆうか、凛太郎はどこまでついてくる気なんだろう。
< 3 / 260 >

この作品をシェア

pagetop