迷惑なんて思ってないよ
私はまた、軽く頭を下げて歩き始めた。晴人も頭を下げてくれたみたいだけれど、何人の追っかけが一緒にいるのか、多量の足音が止む事は無かった。
本当に迷惑だった。両親の墓参りに行くのに全校生徒と言って良いほどの人が後ろからついてきているんだもの。嫌でしかなかった。このままお墓までついてこられたら困る。そう思った私と晴人は一度、祖母の家へと戻った。そのまま行けるはずなんてなかったから。

「あら?どうしたの?」

「それが・・・」

私は家の中へ入ってから晴人と合流してからの事を説明した。凛太郎くんたちのせいで両親に会いに行けない事も。祖母は少しだけ考えると経営している店に出て凛太郎くんたちが追いかけて来られないように足止めしてくれた。
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