迷惑なんて思ってないよ
何をどう喋れば気を紛らわす事が出来るんだろう。いざ考えるとなると難しいな。俺っていつもどうやって気を紛らわしていたっけ。

「脱け出す?」

「いけませんよ?」

「じゃあ勝負しよ!」

制服を着たままの俺たちを見る人なんていなかった。いや、いたのかもしれないけれど俺が気にしなかったんだ。彼女に関わっている時間が楽しくて仕方無かったから。
俺が持ち掛けた勝負は至って普通で簡単だった。砂で作った山に木の枝を立てて倒した方の負け。負けた方は買った方の我が儘を一つだけ行う。在り来たりだけど楽しい賭けだった。
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