迷惑なんて思ってないよ
海の後、宿泊施設に戻った彼女はちゃんと俺の部屋に来てくれた。正直、強引に許可を得たから来てくれないんじゃないかと思っていたんだ。
ただ、来てくれても問題が一つ。今日、俺眠れるかな。彼女と同じ部屋で寝るんだろう。緊張し過ぎて心臓が止まらなきゃ良いんだけど。

「ごめんなさい・・・、私なんかと一緒になってしまって・・・」

「気にしないで!俺も一人部屋で・・・、その・・・。話し相手!話し相手が欲しかったんだ!」

「ありがとう」

彼女は申し訳なさそうに笑った。あぁ、そうか。自分の事だけ考えていて彼女の事は何も考えていなかった。
< 47 / 260 >

この作品をシェア

pagetop