迷惑なんて思ってないよ
何しに来たのかと訊くとその子はやっと口を開いた。俺の恋人にしてほしいと。柏崎さんの前で何て事を言うんだと思ったけれど、その子の体は震えていた。勇気を出して来てくれたんだ。
「ごめん。君の恋人にはなれない」
「あの子が・・・好きなの・・・?」
「あの子って?」
誰の事かは何と無く予想はついていた。たぶん、柏崎さんを好きなのかと訊いているんだ。はい、そうですと言いたかった。だから部屋の事も助けたんだと伝えたかった。でも、今の柏崎さんにそれを言った所で嫌がられるだけ。気持ち悪がられるだけ。柏崎さんに聞こえているであろうこの状況で言える訳がなかった。
「ごめん。君の恋人にはなれない」
「あの子が・・・好きなの・・・?」
「あの子って?」
誰の事かは何と無く予想はついていた。たぶん、柏崎さんを好きなのかと訊いているんだ。はい、そうですと言いたかった。だから部屋の事も助けたんだと伝えたかった。でも、今の柏崎さんにそれを言った所で嫌がられるだけ。気持ち悪がられるだけ。柏崎さんに聞こえているであろうこの状況で言える訳がなかった。