迷惑なんて思ってないよ
他に一緒に見たかった人がいたんだ。どうしよう。そんな伝説、知らなかった。ここの花火にそんな伝説があったなんて。

「えーっとぉ・・・、何だったかなぁ・・・」

「どうしよう・・・、ごめんなさい・・・」

「いやぁ・・・、柏崎さんが良いなら俺も構わないんだけどぉ・・・」

今、何て?
ちょっとした冗談だよね。だって凛太郎くんにはもっとお似合いな女性がいるはずなんだもの。それにさっきの子も言っていたじゃない。“あの子が好きなの”って。きっとそういう相手がいるんだよ。だから声を上げたんだ。立ち上がってまで焦ったんだ。きっとそう。
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