迷惑なんて思ってないよ
今年は等々二人だけだった。乗るとしてもご老人が数人で、ほとんどの人がもう足を運ばなくなっている。運転手の津田さんもこの町が地元だから連れてきてくれているけれど、後何回会いに来れるのだろう。
森に囲まれた町というだけあって、被害が出たのはこの町だけ。私と晴人、祖父母が助かったのは両親の結婚記念日に渡す贈り物を隣町まで買いに行っていたから。私たちは最後まで両親に助けられたんだって泣いた。物語りのように一つ一つの選択が未来を決めているんだとしたら、買いにさえ行かなければ津波も来なかったんじゃないかって。何を買いに行くか秘密にしないで両親も誘えば良かった、無理にでも連れ出せば良かったって。
「くそっ、何で見つからないんだよっ!」
「二人の指輪はお祖母ちゃんのピアノのそばにあった。・・・きっと、この町にいたいんだよ」
森に囲まれた町というだけあって、被害が出たのはこの町だけ。私と晴人、祖父母が助かったのは両親の結婚記念日に渡す贈り物を隣町まで買いに行っていたから。私たちは最後まで両親に助けられたんだって泣いた。物語りのように一つ一つの選択が未来を決めているんだとしたら、買いにさえ行かなければ津波も来なかったんじゃないかって。何を買いに行くか秘密にしないで両親も誘えば良かった、無理にでも連れ出せば良かったって。
「くそっ、何で見つからないんだよっ!」
「二人の指輪はお祖母ちゃんのピアノのそばにあった。・・・きっと、この町にいたいんだよ」