迷惑なんて思ってないよ
ただ、彼女ほどではなかった。友人や好いている親族には手を貸していたけれど、仲の悪い人には社交的な挨拶をするくらいだった。

「あの子達から聞きました。凛太郎くんに注意されたと。嫉妬して悪かった、これ以上嫌われたくないから止めると」

「許したの?」

「ご迷惑をおかけしました」

母はただの友達のためにここまでしなかった。友達のために辛い事を我慢するなんて母は絶対にしなかった。
虐められていた側なのに頭を下げれるなんて人が良すぎるのか。それとも遠慮して生きすぎているだけなのか。
もし俺が迷惑をかけてほしいんだ、だから一緒にいるんだと言ったら彼女は何て言うだろうか。
< 68 / 260 >

この作品をシェア

pagetop