迷惑なんて思ってないよ
こんな事、俺がやれば大人の真似事なんて言われるのかもしれない。でも、間違ってはいないだろう。だから彼女も俺との距離を置いたんだろう。だからもう少し屋上に残るなんて言ったんだろう。
いつの間にか、俺は彼女を少し特別なだけの他人として見ていたのかもしれない。結局俺に振り向いてほしいから素っ気なくしていただけなんじゃないか、結局他の子と何も変わらないんじゃないかって。心のどこかでは思っていたのかもしれない。
俺は開けた屋上の扉をそのまま閉め直した。このまま逃げちゃいけない。せっかく打ち解けてきた彼女がまた一人になってしまう。そう思って、彼女の下へ引き返そうとした時だった。
彼女の電話か何かの話し声で最終種目に出ようと思ったんだ。だってこの高校の最後を締め括るのは閉会の言葉でも何でもない。恋愛に特化されたお題が出る借り物競争だったから。
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