ある日、学校に監禁されました。
「またその男?」


敦美がしかめっ面をしてそう聞いて来た。


「うん……」


「今度はなんだって?」


「全身の写真だって」


そう答えると、敦美は大きくため息を吐きだした。


「千穂、絶対にそいつに利用されてるんだよ」


「……そうだよね」


今はもう、否定する気も起きなかった。


顔写真だけでは飽き足らず、全身の写真を要求してきたのだ。


それだけで、ユーキへの信頼は崩れ落ちていた。


「だけど、万が一って可能性はまだ残ってるんだろ?」


そう声をかけてきたのは弘成で、あたしは驚いて瞬きをした。


「ごめん、あたしが話した」


敦美が申し訳なさそうにそう言った。
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