ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

火事の現場を見ても、あたしたちにできることはなにもなかった。


消化活動が終った後、死体は1年生の教室へと移動させられ、調理室は鍵がかけられた。


爆発に巻き込まれた男子生徒3人はとても穏やかな顔をしていて、もしかしたら自殺だったのではないだろうかと、疑われた。


教科書を燃やすと言う行為は、彼らにとって最後の抵抗。


メッセージだったのかもしれない。


図書室へ戻ると、みんな一様に不安そうな表情を浮かべていた。


けれどあたしと新人からは説明せず、臼山先生から説明してもらった。


誤魔化しても同じ学校内で起こった出来事なので、意味がないと感じたのだろう。


臼山先生は一切嘘をつかず、自分の目で見たままを説明していた。


それからネットニュースでこの町のことを調べてみると、防護服を着た自衛隊員が複数うつっている写真を見つけた。


「なにか進展があった?」


恵里菜にそう聞かれたので、あたしは恵里菜にもネットニュースが見えるようにスマホを移動させた。


「地下通路を掘って救出する作戦だって」
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