ある日、学校に監禁されました。
寝転んだままぼんやりと天井を見上げていると、臼山先生が立ち上がって朝食の準備を始めた。


朝食と言っても、水と乾パンが配られるだけだけど。


何セットかの食料を袋に詰めていく臼山先生を見て、あたしは体を起こした。


「袋に入れた食料はどこかに運ぶんですか?」


近づいてそう聞くと「あぁ。彼らにもなにか食べさせないといけないからな」と、言われた。


一瞬『彼ら』が誰のことかわからなかったけれど、昨日拘束した複数の男子生徒のことを思い出した。


同時に全裸で殺されていた女子生徒の顔も思い出し、吐き気が込み上げて来る。


「あたしも一緒に運びましょうか?」


本当は彼らの顔を見るのも嫌だったけれど、臼山先生1人で運ぶには大変な量だった。


「あぁ、そうしてもらえると助かる。でも、今回は男子について来てもらおうかな」


臼山先生はそう言い、優しくほほ笑んだ。


女子であるあたしのことを配慮してくれているのがわかって、胸の奥が暖かくなった。
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