ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

食欲はなかったけれど、乾パンを無理矢理喉の奥へと流し込んで行く。


少しは食べておかないとこれから先体力はなくなっていく一方だからだ。


「先生たち遅いね」


そう言ったのは弘成と一緒に朝食を食べていた知枝だった。


相そう言えば2人が出て行ってから1時間くらい経過している。


なんだか嫌な予感がしてあたしは図書室の入口へと視線を向けた。


でも、拘束されている男子生徒は10人くらいいる。


その1人1人に朝食を取らせていたら、これくらいの時間になっても不思議じゃないかもしれない。


彼ら全員の拘束を一気に解くわけにはいかないから、順番になりそうだし……。


そう考えていると、図書室のドアが開いて新人と臼山先生が戻って来た。


2人の姿を見ると自然と安堵のため息が漏れた。


良かった。


2人とも大丈夫そうだ。
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