ある日、学校に監禁されました。
そこまで言って、新人は口を閉じた。


「それに、なに?」


気になって急かすと、新人はあたしの耳に顔を近づけた。


「男子たちを拘束していた教室の窓が、全部開けられていた」


その言葉にあたしは頭の中が真っ白になった。


窓が開けられていた……?


「冗談でしょ……?」


この状況で窓を開けたらどうなるか、みんなもう理解しているはずだった。


「本当だ」


真剣な表情の新人のあたしはゴクリと唾を飲み込んだ。


こんなこと、冗談でも言わないだろう。


「じゃあ、みんなは……?」


そう訊ねると、新人は無言で左右に首を振った。


全員、助からなかったのだろう。


「そんな……」


あんな最低な連中でも、10人も一気に死んでしまったと知るとさすがにショックだった。
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