ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

あたしは2年生の階を見て回ることになった。


2年生のクラスにもまだ数人の生徒たちが残っていて、身を寄せ合って救出を待っている状態だった。


つけっぱなしのテレビからはこの町の情報が流れているけれど、昨日からの進展はなさそうだった。


結局2年生の階にアキホちゃんの姿はなかった。


一体どこへ行ってしまったんだろう。


不安が胸の中に膨らんで行く。


もしかして、自分から外へ出たなんてことないよね……?


あんな目にあったらもう学校にはいられないかもしれない。


アキホちゃんが1人で外へでてしまった可能性は大いにあった。


しかし、あたしの考えは最悪の形で裏切られることになった。


「千穂……」


図書室へと続く渡り廊下に差し掛かったところで、後方から新人に声をかけられた。


「新人! アキホちゃんは見つかった?」


そう聞くと、新人は曖昧な表情を浮かべて頷いた。
< 121 / 199 >

この作品をシェア

pagetop