ある日、学校に監禁されました。
昌良はそう言い、薄暗い空間にスマホカメラを向けた。


そこには3人の男女が座っているのがわかった。


『ここは民家の地下室なんだ。みんなここに逃げ込んでいたみたいだ』


地下室……。


そこにいれば風に殺される心配はなさそうだ。


「移動はできてないのか?」


新人の言葉に昌良は頷いた。


『まだできてない』


「そっか……」


新人は落胆しているようだけど、地下室というのはいい案だった。


あたしはすぐに臼山先生へと駆け寄った。


「先生! この学校は地下室がありませんか?」


「地下室……?」


「そうです。地下室に避難していれば、風が入って来る心配はありませんよね?」


早口にそう言うと臼山先生は顎に指をあてて「確かに、そうだな」と頷いた。


「この学校には地下倉庫がある。荷物を出せば、ここにいる全員が入れるくらいの広さだ」


「それなら、移動できますね!」


「あぁ。行ってみよう」
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