ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

地下室が使えるようになったのは、もう夜になってからだった。


コンクリートの床は硬くて冷たいから、手分けをしてマットを敷き詰めた。


そうして、ようやくみんながいられる空間になっていた。


「このマット、ちょっとカビ臭いな」


新人がマットに臭いを嗅いでそう言った。


「ずっと地下倉庫にあったんだから、仕方ないじゃん」


できるだけ埃やカビを落としたけれど、それでも取り切れなかったのだ。


それでも、今はこの柔らかさが心地いい。


昼間しっかり動いたから、今日は眠気も強かった。


目を閉じて深呼吸を繰り返していると、不意に頭に違和感があって目を開けた。


見ると、隣で横になっていた新人があたしに右腕を伸ばしてきている。


「え、なに……?」


「枕、ないと寝にくいだろ?」


新人はそっぽを向いた状態でそう言った。


え……?


「俺の腕、使えば?」
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