ある日、学校に監禁されました。
あたしはスマホを握りしめて地下倉庫から出た。


みんながいる前での撮影はできなくて、そのまま近くの女子トイレへと移動した。


そこには誰の姿もなくて、ひとまず安心した。


身を守るために地下倉庫というのはいい場所だけれど、暗くほこりっぽい場所は人間の精神をむしばんでいく。


敦美たちも時々は外へ出て気分転換が必要だと感じた。


あたしはユーキから言われた通り制服の上着を脱いで、トイレのドアに引っかけた。


白いブラウス姿の自分を鏡に映し、それを何枚か撮影する。


「千穂、なにしてんの?」


そんな声がして振り返ると、入口に恵里菜が立っていた。


いつの間に来たのか、気配を感じなかった。


「別に、なんでもない」


慌ててそう言い、上着を着る。
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