ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

朝食を終えてから1時間が経過していた。


外へ出ていた新人も戻って来ていたが、静かな時間が過ぎて行っていた。


みんな疲れているのか、横になっている生徒たちが多い。


臼山先生は時々生徒たちに声をかけて、体調の変化を確認している。


あたしと新人はコンクリートの壁を背もたれにして座っていた。


冷たいコンクリートが、今は心地いい。


その時だった。


地下倉庫のどこからか、カラカラという微かな音が聞こえてきてあたしは視線を泳がせた。


「どうした?」


「今、なにか聞こえた」


そう答えた時、また同じ音が聞こえて来た。


それは小さな音で、誰も気が付いていない。


でもこの音は聞いたことがある音で……「換気扇」あたしはそう呟き、息を飲んだ。


そうだ。


ここは地下倉庫だ。
< 144 / 199 >

この作品をシェア

pagetop