ある日、学校に監禁されました。
どこかに換気扇があっても不思議じゃない。


そして今の音が換気扇が回る音で間違いないだろう。


「風が……!」


女子生徒の1人がそう言った次の瞬間、体が真っ二つに切られていた。


その背後からカラカラと音が聞こえて来る。


マットで半分ほど隠れた状態だけれど、そこに確かに換気扇があったのだ。


つんざくような悲鳴が地下倉庫内に響き渡る。


こけそうになりながら逃げ出す生徒たちの中、あたしはすぐには動けずにいた。


臼山先生がマットを盾にして換気口を塞ぐと、切られた胴体がゴロリと転がった。


血肉が飛び散り、周囲を赤く染めて行く。


「あ……あ……」


恐怖からか、知らず知らず意味のない言葉が口から洩れた。


「見るな!」


新人が叫んであたしを抱きしめた。


あたしはギュッと目をつむり、叫びたくなる気持ちを押し込めたのだった。
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