ある日、学校に監禁されました。
『助けてくれ!』


聞こえて来たのは切羽詰った昌良の声で、あたしは画面を確認した。


いつものようにビデオ通話になっているが、画面はあちこちにブレて定まっていない。


「どうした昌良?」


『家の人に追われてるんだ! 今、トイレに逃げ込んだ!』


「追われてるってどういうことだよ?」


確か、家の人は全員地下室に逃げ込んでいて無傷なはずだ。


「食料だよ! 俺がこの家に逃げ込んだせいで食料が尽きたんだ! だから、外へ出て撮ってこいって言われてる!」


時々うつされる昌良の顔は青ざめている。


相当怖い思いをしたのだろう。


「外へ出るなんて無理でしょ……」


通話を見ていた恵里菜が呟く。


「そうだよね。今日の風がどうかわからないけど……」


家の住人だって、外が危険だと知っているはずだ。

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