ある日、学校に監禁されました。
『どうしよう……見つかった……』


昌良の絶望的な声が聞こえて来た次の瞬間、トイレのドアが破壊されるのを見た。


『やめろ! やめてくれ!』


昌良はズルズルとトイレの床に座り込んでしまう。


しかし、そこは密室で逃げ道なんてどこにもなかった。


ついにドアは蹴破られて、父親らしき人物が姿を見せた。


その手には包丁が握りしめられている。


目は血走り、昌良へ向けて包丁を突き付けるのに戸惑いはなかった。


『早く食料を取ってこい! お前が食べたんだろうが!』


そう言い、包丁を振り回している。


昌良はできるだけ身を縮めているようで、途中でスマホを床に落としてしまった。


画面上には天井を、振り回される包丁だけが見えている状態だ。


このままじゃ本当に昌良は切りつけられてしまうかもしれない。


「やめてください! 外へ出るのは危険です!」
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