ある日、学校に監禁されました。
人間にとって一番大切なのは水分だ。


それが供給されている間はまだ希望があると思ってもいいかもしれない。


「そうだよ。それに、もう自衛隊の人たちも動いてるんだからさ」


そう言って知枝が弘成の手を握りしめた。


2人の距離がグッと近くなる。


「そうだよな。食料が無くなる前に救出してもらえるよな?」


「うん。きっと大丈夫」


弱っている弘成を知枝が助けているのは珍しい光景だった。


でも、こうして寄り添って支え合えるうちはきっと大丈夫だろう。


2人への羨ましさを感じた時だった。


不意に電気が消えてエアコンも停止した。


「なんだ?」


目張りしている窓から太陽の光が差し込んでいるけれど、それでも電気の消えた部屋は薄暗い。
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