ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

手分けをして他の教室の状態を調べてみたけれど、どこの教室でも電気がストップしているのがわかった。


「ちょっと、どうするの……」


食堂へ戻って来た敦美が青ざめた顔でそう言った。


「どうするって言われても……」


あたしはそう呟いて、黙り込んだ。


まさか電気が使えなくなるなんて思っていなかった。


これも風の影響だろうか?


「この学校、電気系統は外にあるんだ」


そう言ったのは臼山先生だった。


地下倉庫の掃除をしてくれていた臼山先生に、このことはちゃんと報告した。


「まさか、風のせいで電気系統が壊れたとか?」


新人がそう言うが、臼山先生は左右に首を振った。


「それならもっと早い段階で影響が出てるはずだ。風は人間を切り裂いても、木や人工物を切り裂くことはない」
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