ある日、学校に監禁されました。
臼山先生の言う通り、いくら風が吹いても外にある物が壊れた様子はなかった。


じゃあ、どうして今頃になって電気が使えなくなったのだろう?


「ねぇ、あれ見て!」


疑問を感じたとき、恵里菜が窓の外を指さしてそう言った。


窓の外に動くなにかがいることに気が付いた。


近づいて確認してみると、それは大きな野犬であることがわかった。


「犬が外にいる……」


新人が小さな声で呟いた。


「外にいるってことは、風が吹いても影響がないってこと?」


「そうなのかもしれない」


あたしの質問に新人は頷いた。


風の影響を受けるのは人間だけ?


外にいる野犬は室内のあたしたちに気が付いて、吠え立てている。


あたしはそっと窓から離れた。
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