ある日、学校に監禁されました。
外にいる動物たちに影響がないということは、電気系統を破損したのは野良犬たちかもしれない。


外に人がいない今、好き勝手に暴れていても不思議はなかった。


「人間だけに影響がある風って、なんかおかしくない?」


そう言ったのは敦美だった。


「おかしいって、なにが?」


あたしはそう聞き返す。


この状況事態おかしいのだ。


今さらそんなことに引っかからなかった。


「風は人間を狙って殺してるってことになるよね?」


敦美の言葉にあたしは絶句してしまった。


風が人間を狙っている……?


でも確かに、その通りかもしれない。


風は相手が人間かどうかの識別ができていて、攻撃対象をちゃんととらえているのだ。


「やっぱり、自然現象とかじゃなさそうだな」


臼山先生が大きく息を吐きだしてそう言った。
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