ある日、学校に監禁されました。
わかってる。


だけど、あたしの中にだって葛藤があるのだ。


「今度はなんて来たんだ?」


弘成がそう言い、あたしのスマホを覗き込んでいる。


「下着か……それはさすがに、無理だよな?」


弘成の質問にあたしは目を丸くして「え?」と、聞き返していた。


「この男は信用できない。だけど、こいつとのやりとりで俺たちの運命が決まるかもしれないんだろ?」


弘成はうっすらと笑顔を浮かべてそう言ったのだ。


あたしは唖然をしてしまって返す言葉がなかった。


「そんなわけないだろ。完全に嘘をついてんだよ」


新人が声を荒げてそう言い返した。


「でも、万が一ってことがあるだろ、な?」


「なんだよお前……。知枝が同じようなこと言われたらどうするんだよ!」


「それは……」

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