ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

保健室のドアを目張りしている時には、すでに中からなんの物音も聞こえなくなっていた。


足を切断された子がどうなったのか、考えるまでもない。


「千穂。もう1度ちゃんと調べてみよう」


食堂へ戻ってそう言ったのは新人だった。


新人の頬には涙のあとが残っていて、もしかしてあたしが泣かせてしまったのだろうかと感じた。


「調べるってなにを?」


「人間だけを殺す風についてだ」


そう言って新人はスマホを取り出した。


昌良とビデオ通話をしていたため、かなり電池を消耗してしまっている。


でも、スマホは何台でもある。


今どき持っていない生徒の方が少ないのだから、心配する必要はなかった。


「どう考えても人工的に作られてるよな? そういう噂、聞いたことがあるんだ」


新人はスマホの検索画面を表示させながら言う。
< 162 / 199 >

この作品をシェア

pagetop