ある日、学校に監禁されました。
「ちょっと、大丈夫?」


慌てて駆け寄り、声をかける。


しかし女子生徒からの返答はなく、呼吸もしていないことがわかった。


「なんでこんなところで……」


肌を切られたような形跡も見られないから、本当に暑さでやられてしまったのかもしれない。


あたしは女子生徒の体をそっと横たえると、トイレのタンクを開いてその中にハンカチを付けた。


水は随分と生ぬるくなっていたけれど、なにもしないよりはマシだった。


「恵里菜。おまたせ」


そう言って恵里菜のおでこ濡れたハンカチを当てると、恵里菜は弱弱しい笑顔を浮べてくれた。


少しでも涼しくなるように、胸元のボタンを1つ外す。
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