ある日、学校に監禁されました。
大事故
ヨロヨロとした足取りで教室へ戻ると、臼山先生が血の掃除を終えていた。


それでも匂いは消えない。


生徒たちは窓辺に立って外の惨劇に唖然としていたり、机に突っ伏して泣いたりしている。


「大丈夫。今警察と救急車を呼んだから、すぐに来てくれるからな」


臼山先生はいつものように教卓に立ってそう言った。


その言葉にひとまずホッと胸をなで下ろした。


警察が来てくれれば、あたしたちは保護されるはずだ。


「千穂!」


そんな声が聞こえてきて振り向くと、ドアの近くに知枝が立っているのが見えた。


「知枝、無事だったの!?」


「うん。今日は暑いからやっぱり教室で食べようってことになって、戻って来てる途中にみんなが……」


そう言って口をつぐむ知枝。


教室の外でも大惨事になっているのだろう。


「弘成は?」


「トイレに行ってる。戻って来る途中に血まみれの生徒を見たから」


「そっか……」


それ以上、あたしもなにも言えなかった。


とにかく、無事だったのならよかった。
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