ある日、学校に監禁されました。
「このまま学校内にいても、暑さと食料不足で死ぬのかな」


敦美の言葉にあたしはキュッと下唇を噛みしめた。


その可能性は高かった。


風から逃げていても結局結果は同じなのではないか?


人知れずトイレで死んでいた女子生徒を思い出すと、そう感じられていた。


「食料なら、あるだろ」


そう言ったのは新人だった。


「え?」


「……人間の肉だ。いざとなればなんでも食い物になる」


新人はそう言って乾パンを口に放り込み、かみ砕いた。


「人間の肉って、本気で言ってるの?」


あたしは顔をしかめてそう聞いた。


「今はまだ考えられないことだけど、でも……その内、そうなるかもしれない」


新人の言葉に誰も何も言えなかったのだった。
< 172 / 199 >

この作品をシェア

pagetop