ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

敦美と2人でトイレへ向かったけれど、そこには誰の姿もなかった。


ホッとする半面、では恵里菜はどこへ行ったんだろうと不安が膨らんだ。


一応トイレの個室をすべて確認してみたけれど、誰の姿もない。


「恵里菜、どこに行ったんだろう……」


そう呟き、廊下の壁に体をもたれかけた。


ここ数日間は乾パンも切れて食べ物を口にしていないから、トイレまで移動してきただけで疲れてしまった。


「どこか、他の教室かな」


敦美がそう言った時、廊下の奥にある教室から物音が聞こえて来た。


それは何かが倒れたような音で、あたしと敦美は目を見交わせる。


「恵里菜かも」


あたしはそう呟いて、奥の教室へ向かって進み始めた。


そこは普段使われていない教室で、余計な机や椅子が置かれているだけの空間だった。


「恵里菜、いるの?」


そう声をかけてドアを開けると、整理されていたはずの机や椅子が散乱しているのが目に入った。


「なにこれ。誰がこんなことしたんだろう」


敦美は顔をしかめている。
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