ある日、学校に監禁されました。
「先生、あれは何ですか?」


そう言ったのは窓の外を見ていた月島新人(ツキシマ アラト)だった。


新人とあたしは幼馴染で、この高校を受けたのも実は新人がいたからだった。


「なんだ?」


臼杵先生がそう言いながら新人へ近づいて行くので、あたしも近づいて行く。


「ほらあそこ。火が上がってるじゃないですか」


新人が指を差した先は学校から3キロほど離れたビルだった。


確かに、ビルの一室から火が上がっているように見える。


「火事か……。でも大丈夫だろう、きっと誰かが通報してる」


耳を澄ませてみればあちこちからサイレンの音が聞こえてくる。


きっと、何台かのパトカーも学校へ向かって来てくれているのだろう。


「見ろよ、来たぞ!」


今倉昌良(イマクラ マサヨシ)が校門前の道路を指さしてそういった。


右手の方から救急車とパトカーが近づいてくるのが見える。
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