ある日、学校に監禁されました。
赤い糸
死にたいと願っていても、人はそう簡単に死ぬものじゃないらしい。


額に冷たい水の感覚があってあたしは目を開けた。


ぼやけた視界の中に新人の姿が見える。


「おはよう」


そう言う新人の声は枯れてしまっている。


「うん……」


返事をしながら自分の額に手を当てると、濡らされたハンカチが置かれていた。


「これ、新人が用意してくれたの?」


「あぁ。やっぱり、水分があるうちは簡単には死ねないもんだな」


そう言い、苦笑いを浮かべている。


あたしに気持ちを伝えたとき、新人は確かに死を覚悟していたのだろう。


あたしも同じだった。


だけどこうして、今日も目が覚めてしまった。


「さっき、トイレで知恵と弘成を見つけたんだ」


新人はそう言い、あたしの隣に座った。
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