ある日、学校に監禁されました。
「トイレにいたの?」


「あぁ。水を求めてたんだと思う」


「それで、2人は?」


そう聞くと、新人は黙って左右に首を振った。


その瞬間、胸にチクリとした痛みが走る。


「ダメ……だったの?」


「うん。小指に赤い糸を結んで首をカッターで切ってた」


自殺……。


この状況なら、早く楽になりたいと言う気持ちは理解できた。


こうして座って呼吸をしているだけでも辛いのだから。


だけど、浮かんでくるのは2人の元気な笑顔ばかりだった。


仲が良いいクラス公認のカップルで、卒業したらこのまま結婚するんじゃないかって、みんな思っていた。


だけどそれは叶わなかったのだ。


卒業すら、あたしたちにとって夢のまた夢になってしまった。

< 188 / 199 >

この作品をシェア

pagetop