ある日、学校に監禁されました。
もちろん、授業中にスマホを使ってはいけない。


でも大半の子がこうしてこっそりスマホをつついているのだ。


《ユーキ:チホちゃんは、願い叶うチャットになんて書きこんだの?》


願い叶うチャット。


それが、あたしとユーキちゃんが出会うきっかけになったアプリだった。


アプリをダウンロードすると、自分の叶えたい夢を呟くことができる。


それだけでなく、夢をかなえるためにいろんな人からコメントを貰うこともできるのだ。


家族や友人にはなんだか恥ずかしくて話せないような夢でも、このアプリを使えば簡単に相談することができる。


そのアプリの中であたしのハンドルネームはチホだった。


単純に、本名が小針千穂(コハリ チホ)だから。


《チホ:いつもと違う日常が訪れますようにって、書いたよ》


《ユーキ:なにそれ? それがチホちゃんの夢?》


そう聞かれてあたしは指を止めた。
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