ある日、学校に監禁されました。
すでにここまで大きく取り上げられているなんて、知らなかった。


スタジオにいるニュースキャスターや専門家たちは真剣な表情を浮かべ、今回の現象に関して議論しているところだ。


でも、そんなことはどうでもいい。


とにかく助けて欲しい一心だった。


その時、画面上に自分たちのクラス町の様子が映し出された。


ヘリコプターから撮影しているようで、リアルタイムの現状が見られるチャンスだった。


『町のあちこちで火災が起こり、黒煙が上がっている状態です。しかし消防車や救急車が出動しても到着する暇なく、事故を起こしてしまっている様子が見受けられます。一体この町でなにか起こっているんでしょうか』


ヘリコプターの中からそう伝える男性キャスターの顔が、突然切り裂かれた。


見えないなにかによって、横に切れ目が入るのを見た。


次にヘリコプターの揺れにともない、上半分がズルリと落下していく。


教室中に悲鳴が響き、ニュース番組はすぐにスタジオへと切り替えられた。
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