ある日、学校に監禁されました。
「今の見た!? ヘリコプターに乗っていてもダメなんだよ!」


知枝が悲痛な叫び声をあげる。


車がダメなのだから、ヘリコプターだってダメに決まっている。


でも、そうなると……。


「助けはいつくるんだろう」


あたしはポツリと呟いた。


とても小さな声で呟いただけなのに、教室中が静まりかえる。


よく、ニュース番組で救出劇をみたことがある。


あたしたちみたいに校舎から出られなくなってしまった場合、空から救出されることが多いような気がする。


でも、それはできないのだ。


救出しようとしてヘリに乗れば、その人は死んでしまうのだから……。


「そもそも、風が原因だとしたら外に出られないよね……?」


そう言ったのは恵里菜だった。
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