ある日、学校に監禁されました。
☆☆☆

どうにか浩二の体を1年の教室へ運んだあたしは、何度も息を吐きだした。


そうすることで血の匂いを忘れたかったのだけれど、学校内はどこもかしこも血だらけで、忘れることはできなかった。


「このクラスは6人も一気に亡くなったのか……」


初めて1年の教室を確認した臼山先生は悲痛な表情を浮かべてそう呟いた。


きっと、窓辺でご飯を食べていたのだろう。


流れ出した血液に混ざって、散乱したお弁当のおかずが見えていた。


「せめて、なにか布をかけてやろう」


臼山先生にそう言われ、あたしたちはクラスのロッカーから体操着を拝借して、亡くなった生徒たちの顔にかけていった。


みんな目を見開き、驚いているような表情で亡くなっている。


きっと、なにが起こったのか理解するまえにすべてが終わっていたのだろう。
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