ある日、学校に監禁されました。
大きな窓だから、背の高い男子がいると助かる。


「飯田のやつ、外へ出るの失敗したんだな」


手を動かしながら昌良は言った。


「うん……」


あの出来事は誰にも言っていないけれど、車が柱にぶつかる大きな音がしていたから2階にいた生徒たちも気が付いたのだろう。


昌良の表情は硬い。


「俺たち、本当にここから出ることはできないのかな」


「そんなことないよ。きっと大丈夫!」


あたしはマイナス思考を吹き飛ばすように、大きな声でそう言った。


そう言わないと、この暗い雰囲気は消えてくれない。


と言ってもあたしたちにできる事なんて限られている。


窓を閉めて目張りをすること。


できるだけ窓から離れること。


そして、風の現象について調べる事くらいだ。
< 49 / 199 >

この作品をシェア

pagetop