ある日、学校に監禁されました。
「このアプリの評価を知ってるか?」


「え?」


「書きこんだ内容が本当になる。そう言われている」


「そんな……」


それは単なる偶然じゃないだろうか?


アプリ内で相談しあって、本人が努力して、その結果願いが叶うことはあると思う。


返事に困っていると、臼山先生は大きく息を吐きだして頭をかきむしった。


「悪い。アプリに書きこんだことが現実になるなんて考えているワケじゃないんだ。ただ、この状況を少しでも理解するためにしらみつぶしに原因を探っているだけなんだ」


そう言って椅子に座り込んでしまった。


臼山先生も必死なのだ。


藁にもすがりたい気持ちなのだろう。


「アプリは関係ないと思います。あれは自分の気持ちを吐きだす場所ですから。願いが叶うのは、本人がその後努力をしたからです」


あたしの言っていることは正しいはずだ。


臼山先生だって、分かっている。


「そうだよな……。ありがとう、もういいよ」
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