ある日、学校に監禁されました。
ほんの10メートル先にある民家だ。


玄関の前にはプランターが置かれて聞いて、色とりどりの花が咲いている。


昌良が玄関ドアに手をかけると、それはすんなりと開いた。


『すみません、誰かいますか?』


スマホの中から昌良の声が聞こえて来る。


しかし、住人からの返事はない様子だ。


「昌良、危ないから建物の中に入れ!」


新人は気が気ではない様子で、そう言った。


風はいつどこから吹いてくるかわからない。


いつまでも外にいるわけにはいかなかった。


『中から人の声は聞こえてこないから、この家に入らせてもらう事にするよ』


昌良がそう言った、次の瞬間だった。


当たっていないのに、プランターの花が揺れるのを見た。


風が……。
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