ある日、学校に監禁されました。
そう思っていた時だった。


教室を出ていた臼山先生が早足に戻って来た。


「みんな。今から図書室へ移動しよう」


「図書室ですか……?」


首を傾げてそう聞いたのは敦美だった。


「あぁ。先生たちと手分けをして、一旦食料を図書室へ運んだんだ」


図書室ならインターネットができるから、スマホの電池を気にする必要なく情報収集ができる。


あたしは賛成だった。


「図書室の窓は昌良が目張りをしてくれてるの」


そう言ったのは恵里菜だった。


「昌良が……」


新人が小さな声で呟き、スマホを見つめた。


「それなら、移動しようか」


弘成がそう言い、知枝の手を取って立ち上がった。


それに習ってクラスメートたちが徐々に移動を開始する。


「行こう、新人」


あたしは新人の背を押して、そう言ったのだった。
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