ラブマジック[完]
プルル……
『はい』
久しぶりに聞く壱馬の声。
「今、大丈夫?」
今日も電話の向こうが騒がしいなあ。
外にいるんだね。
『ん』
「あのね、伝えたいことがあるの!」
『ん』
「別れよ?」
好き。
大好きなんだよ?
でも、それは私が壱馬に想う気持ちであって。
壱馬は私のこと………好きじゃないでしょ?
「好きだ」と言ってくれても、私は速水野々香が壱馬の近くにいる限り疑ってしまう。
疑ってしまう自分がもの凄く嫌いで、何で信じられないのか自分に腹立つ。
『電話に出ねぇからか?』